FC2ブログ

REQUIEM館

第7話:新たなる出会いと因縁

あきらは荒野の砂漠を歩いていた。
前を見ようと後ろを見ようと左右をみようと先には果てしない地平線しか見えなかった。
あきらはとある情報を元にある人物を追っていた。
その情報が正しいなら2日前、モロクの街から20km離れた所で大規模な魔力反応があったらしい。
その魔力は常人の魔導師の魔力の5倍~10倍はあったとのことだった。
あきらはこの魔力自体には然程興味をもたなかった。
しかしその後に続く言葉に引き止められた。
たまたまその時間帯に近くを通った行商がいたらしい。何事かと遠目で確認したところ、7,8人のパーティーがモンスターの集団と戦っていたらしい。だがそのパーティーの使う力は今まで見た事のない力を使っていたという。
そしてその時に空耳かもしれないがリンという言葉が聞こえた。
あきらは以前リンという人物を探してみたが弓使いにリンと言う名の者は見つからなかった。
どれだけ探そうと見つからなかった。しかしあきらはあの時確かにリンという名の弓使いを見ていた。
そしてその周りには歴戦の猛者が多くいた。
彼らは一体どうやってあれだけの強さを身に着けたのだろうか。自分はどうやったら強くなれるのだろうか。
あきらはただそれだけを考えていた。
考え事をしながら歩くこと2時間目的地にたどり着くことが出来た。
そこは大きなクレーターが出来上がっており僅かにだが焦げ臭い匂いが残っていた。
少なくとも自然にできた物とは違うようだ。
あきらは周囲をくまなく調べはじめた。持ってきた空き瓶には焦げた匂いがした砂を詰め込んだ。
他にも何かないかと周りを見たときある場所に違和感を覚えた。
そこは砕け散った岩がの破片が散らばっていた。
その破片の中から一瞬だが力みたいなものを感じた。
あきらは破片をどかしてみるとそこから紫色の結晶体が出てきた。
あきらはその結晶体を手に取ろうと手を伸ばした。
結晶体に触れようとした時結晶から禍々しい光が放たれた。あきらは慌てて後ろに跳んで距離をおいた。
「これは一体」
禍々しい光は止むどころか更に強く光を放ち始めた。
あきらは危険と感じクレータから脱出しその場を離れることにした。
だがあきらはクレーターから出た際に反対側から人の気配を感じ振り返った。
「リン、あそこにいたよ。やっぱりまだ覚醒してないみたいだ」
あきらが視線をむけるとそこには修道服の女性がクレーターの底をの光が放たれてる場所を指で指していた。
(リンだと!!)
あきらの場所からは顔までははっきり見えないがそこには3人の姿があった。
格好だけで判別すれば左からモンクの女とその横にいるのペコペコに乗った男は騎士であると思われる。
「2人とも下がってるんだ」
あきらは瞬時に気づいた。間違いなくあきらの知っているリンと一致していた。
「お前はこの世界には不要だ」
肩に担いでいた弓に矢を番えて構えた。このときリンから発せられる殺気にあきらは背筋を凍らせた。
(何だあの殺気)
そして矢は放たれた。放たれたのだろう。矢は瞬時に光を放つ結晶体に刺さり爆発した。
「お疲れ様、次に行きましょう」
「いや、ネズミが一匹混ざっていたようだ始末してから行く」
リンの言葉に2人は頷くと瞬時に消えていった。どうやら蝶の羽でもつかって離脱したようだ。
「で、さっきから俺を睨みつけてるのは君か」
突如あきらの背後から声が聞こえた。
あきらは飛び跳ねるように後ろを振り向いた。
そこには先程までクレータの反対側にいたリンが弓を構えていた。
(いつの間に!)
多分テレポートか何かをしたのだろう、だがあきらは気づくことができなかった。
全く気配を感じなかったのだ。
「あんまり深追いすると死ぬぞ」
リンから発っせるられる威圧感にあきらは一歩後退する。
常人なら気を失ってもおかしくないほどの気当たりであった。
「去れ、そして2度と僕達とこの件に関わるな。それがお前の為でもあり世界の為でもある」
リンは冷たい声で言い放った。
「分かったならここから」
「ざ・・・・」
リンの言葉を遮るようにあきらが何かつぶやいた。
「ざっけんじゃねーぞーーーーー」
あきらの怒号響き渡った。
あきらの目は明らかに怒りの感情だけが窺えた。
「てめーに俺の事心配される筋合いはこれっぽちもないんだよーーー!」
あきらは短剣のグラディウスを引き抜きリンに向かって突進をする。
リンは冷静に矢を番えた。矢の先からつむじ風がふいていた。
リンは矢の照準をあきらの左肩にあわせた。力量で言えば現在のリンがあきらに遅れを取る事はない。
リンは油断せずに冷静にあきらの動きを読みその先を予測していた。
そして矢が放たれた。風を巻き起こし周囲を切り裂く勢いであきらに向かって容赦なく飛んでいく。
しかし命中の寸前であきらはリンの読みを裏切る行動にうつった。
体を思いっきり沈め足からリンに向かって滑り込んだ。矢があきらの顔の横を突き抜けた。
あきらの頬が僅かに切れ血が飛び散る。
「はあああああああ」
気合の篭った声をあげながらグラディウスを振り上げる。グラディウスの刃がリンの足めがけて襲い掛かる。
「ちっ」
リンは舌をうちながら後ろに跳んだ。予測を裏切られた事と不意をつかれた事でリンの動きが僅かに鈍くなっていた。
あきらはここで押し切ろうと一気に距離をつめようとした。
が、ここで2人にとって予想外の出来事が発生した。
目の前のクレーターから強烈な魔力が光を放ちながら噴出したのだ。更に地面は立つのがやっとなくらい揺れていた。
「なっ!!!」
あきらは足を止めクレータから噴出す光を呆然と見上げた。
人は予想をはるかに超える事象が起きた時思考が止まり動けなくなることがある。あきらも同様であった。
「こんな時に暴走か!」
リンは光の中に向かって飛び込んだ。クレーターを滑りながら底に辿り着くと先程爆散した結晶石の欠片から光の柱が出ていた。
「・・・これは」
光の柱が徐々に1箇所に集中し始めた。
リンは警戒を強め矢を番え弓を構えた。リンの警戒が一番強くなった時
光の柱は強烈な光を放ち飛び散った。
「うわっ」
クレータの上からのぞいていたあきらは勢いあまって後ろに転がった。
光は雲を突き抜けた。
光は徐々に細くなりやがて消滅をした。
あきらはふとリンが光の中にいたことを思い出した。
「もしかして死んだか」
恐る恐るクレータを除いた。

(えええええええええええええええええええええ!!)
あきらが光から逃れるように後ろに転げたときリンは光の中で驚愕の光景を目の当りにしていた
「お・・・・女!!!」
リンの上空にあられもない姿の少女が現れたのだ。
しかも少女はリンに向かってゆっくりとだが落ちきていた。
リンは慌てて少女を抱きかかえた。
(えっと服!服は!!ってかローブがあった)
リンは慌てて自分の羽織っていたローブを少女に着せた。
リンは顔を真っ赤にしていた。
(み、見てしまった)
リンは少女のあられもない姿が頭から離れずぶんぶんと頭を振っていた。
「何やってんのリン?」
突如背後から聞き覚えのある声が聞こえた。
リンが振り返るとそこには先程の2人がいた。
「リン・・・お前流石に誘拐はまずいだろー」
騎士の男が気まずそうに言った。それに同意をするようにモンクの女もうんうんと頷いていた。
「ち!ちがっ」
「そこまでにしたらどうです」
リンが反発しようとしたタイミングで別の女の声が聞こえた。
「リーダー!!」
騎士の男が女を見て驚いた顔をした。
リンはリーダーと呼ばれた女を見て不思議そうな顔をした。
「小雨、なんでお前がここにいるんだ!」
「あら、貴方が戻ってこないからって2人が飛び出していったから、追ってきたのに随分な事を言ってくれるわね」
小雨と呼ばれた女は失礼しちゃうわっと言いながら少女の姿を見た。
「この感じだと当分目を覚ましそうにないわね。仕方ないからつれて帰りましょう」
小雨の言葉に3人は頷いた。
小雨は青い石を持つと目を閉じた。
「私達の帰る場所まで導いて」
<ワープポータル>
白いゲートが浮かび上がり、騎士とモンクの2人が飛び込んでいった。
僅かに遅れてリンが少女を背負ってゲートに入ろうとした。

「まてっ、お前達は一体」
クレーターの上からあきらの声が聞こえた。
リンはそれを一瞥してゲートに入っていった。
「まてっ」
あきらはクレーターに向かって飛び込もうとした。
「そこまで気になるのなら今度開かれるアカデミーの大会に出なさい」
小雨はくすっと笑ってゲートに入り消えていった。
『その大会に私達も出るわ。そこで私達に勝ってみなさい』
あきらはその光景を見届けると空を見上げた。
「上等だ、あんた達まとめてぶっ倒してやる」
あきらは空に向かって吼えた。

スポンサーサイト



小説 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| HOME |